【読書メモ】太陽を創った少年、僕はガレージの物理学者
<どうして読むのか>
何かを学ぶ際に天才の考え方の一端に触れるのは楽しい。以前はビジネス書などHOW to本を読みあさっていた。
いわゆる効率を上げる系の本である。正直そちらの方がしっくりくる感覚はあった。理解はしやすいし、すぐにでも実行できる。
ただ、どうもそんなものとは次元の違う考え方があり、非効率を超越したようなやり方に魅力を感じてしまった。
例えばアルゴリズムの問題を解く際に、5分考えてわからなければ答えを見てその解き方をマスターするべきだという主張をしている人がいた。
これなら進捗もわかりやすいし、かなり効率が良い。実際その人はトップコーダになっているような人だった。
ただ、自分の好きな偉人たちはそんなことをやっていなかった。ウォズやファインマンさんは答えを教えようとしたものならブチギレるようなタイプだった。
人の回答を信じないで自分で全て解き直したり、本を読んだり調べたらすぐにわかるようなことをまずは試してみる人たちだった。
この人たちは1週間や1ヶ月それ以上の期間で一問しか解けない場合もある。
それに比べて答えを見る人たちは1週間もあれば20問や下手したら100問以上を解けるようになる。
では、どちらの方が良いのだろうか?効率で考えたら答えを見る方である。だが、実際に世界を変えるようなことをやっている人たちは自分が納得するまで自力で解いてる。
そう思った時にこの本に出会った。17歳の天才少年が核融合炉を作ってしまい、どんどんと世の中の問題を解決していっている。
どうしてこんなことが可能なのか、天才やすごい人たちの考え方の違いはどこにあるのかが気になったため読むことに決めた。<読書メモ>
1 2章失敗の意味
→自分は失敗を極端に恐る。あまり失敗はしないし、挑戦もしない。安全だとわかり切ったものにしか挑戦しない。失敗が公的的な意味を持っているのはよくわかるがどうしても踏み出せない。何度も失敗する人たちはどう考えているのだろうか?
○ プロジェクトのどのステップでも 、その日のうちに完成させなきゃ気が済まなくてね 。
どのステップでも何でもいいから完了させる。これは非常に重要な気がする。
明日でいいや、となった時の明日は大概その時よりもやる気は下がっている。
ここまで終わらせると決めたなら終わらせることが1つ重要な事かもしれない。
○ 不安がってボンベ入りの重水素ガスを買ってくれなかった 。だから 、なんとか自分で作るしかありませんでした 」
11歳の少年が買ってもらえないから作るしかなかったという発想に至るのがものすごい。
ただ、何かを成し遂げたくて、その何かが必要ならばそれを成すためにはどうすればいいのかを考えていくそこに至るというのもわかる。
○歯が立たないことに挑戦することで 、テイラ ーは 、たぶん知らないうちに 、学習することは失敗しないことより価値があると考えるようになっていたのだ 。
歯が立たないことに挑戦することでこそ学びが得られる。
○ 「成長型マインドセットを持っている生徒は 、知的能力は伸ばせるものだということを理解しています 。生徒たちは 、自分がどれほど賢いのかを心配したり 、周囲からの承認を求めたりすることではなく 、向上することに力を注ぎます 。より多くを学ぼうと努力し 、さらに賢くなるのです ( 1 ) 」
今の俺に必要なものはこれ。というのも、周囲からの評価を気にして身動きが取れなくなってしまっている。
焦りだけが募りどうしていいかわからない。
○ 失敗を分析し 、あちこちに助言を求め 、情報などを得られる新たなソ ースを見つけていった 。
簡単な問題から進めていくと、こんな簡単な問題を聞くのはどうか、どうやって解こうかという方法にフォーカスされることになる。
無理難題に挑むと人見知りなどしている暇はなく、手段も選んでられなくなる。それによって学びが多いに得られる。
1 5章天才はどこからやってくるのか
→結局のところ1番気になるのはここ。はじめに書いたがどういう人が天才になるのかである。
○ 自分の子どもが何かをうまくやれるようになりたいと考えたら 、それを止められるものはない
ギフテッドの特徴の1つとして執念が恐ろしいところにある。他の全てのものが関係なくなって、それだけのために全てを費やす。
気になったことを調べ生半可では満足しない。ではどうしてそんなにも執念深くなるのか。
幼少の頃からギフテッドと騒がれた人ならまだしも、いやそういう人ですら、食事になれば途中で止められ、注意されてきたはずである。
それらを超えて執念が生まれるのは何なのだろうか?
○ 行動の動機は彼らの内面にあります 。
行動の動機は内面にあり、科学的良心というのはここにあるのかもしれない。
自分を騙さないで自分のためにする。人助けをするのも自分のためであり、自分がやりたいから以上にはない。
○ 彼らのギフテッドの能力は 、関心のある分野について狭く 、深く発揮されるのである ( 7 ) 。
あらゆる分野に通じるようなマルチな人物ではなく、狭く深くということはどう考えてもボトムアップ式な学び方では対応できない。
どこまでも諦めずに探求し続けたに過ぎない。
○ 幼稚園に入る前から本をむさぼり読んでいる
ノンフィクションの本を貪り読むのはどういう動機からなのだろうか。
気になったことの答えを探すためだろうか?気になったことを探すときの記事を探す際の集中力は確かに何となく読むよりははるかに集中力が発揮される。
そしてやはりノンフィクション。教わらないでということは自分で試行錯誤して結論を見つけることが良いのだろう。
問題を考える時に答えを見た時と、自分で考えた時では考える範囲は大いに違う。
俺も1つ1つ試していくしかない。
○ 「専門家と素人の腕前にみられる大きな違いは 、それに劣らず大きな差異である 、計画的訓練の時間数にみられる違いに起因すると考えられる 」と結論している ( 2 2 ) 。
これは最高のニュース。学んでいる時間が違いすぎるのかもしれない。
プロのピアニストとピアノ教室のピアノを練習している時間の差は年齢とともに広がっていっていた。
そこなのかもしれない。1つの分野に絞り、その分野に多大な時間学び続けることがもっとも重要なのかもしれない。
○ ほかの人よりも短い時間で蓄積できるのだ
才能が必要がないわけではないし、才能によって限界はあるかもしれないが挑むに越したことはない。
○ トレ ードオフによって埋め合わせができることもある (たとえば平均的な知能レベルの人でも 、モチベ ーションが高ければ 、能力以上の成功をおさめられる )
トレードオフには限界はあるが、そうでなくても努力でどうにかなる部分は大いにある。
ではモチベーションを保ち続けるにはどうしたらいいのだろうか。それこそが内的動機だと思う。
1 6章アマチュア科学とメイカ ーム ーブメント
→何かを作るというのにかなりの抵抗が発生する。無意識レベルでかなり避けてしまう。そうでない人たちはどう思い、どう考えて行なっているのだろうか?
○ S F的なノリで 、とりあえず挑戦してみようという人たちも多いんです
始めるきっかけはかなり簡単。だが、それを成そうとした時に技術的な問題が出てきて挫折してしまう。
それを避けることができた人たちはどうしたのか?
○ ジョブズ自身も 、ヒ ースキットによる探求の経験についてこう語っている 。 「途方もない自信を与えてくれた 。人は学習や探求を通じて一見とても複雑な事柄を理解できるのだと 」 (三木訳 )
ジョブスですらキットから始めている。そういったものが完成することを学んでいくことで、楽しみが増えるのかもしれない
他の人たちもこういった化学実験によって養われている。俺は子供時代に経験していないから今簡単なキットから始めていく。
○ 生徒の実社会での経験に関連した研究プロジェクトもやらないようでは 、科学がそんなに楽しいわけもない 。
実社会と関連のあることは確かに楽しい。ペットボトルロケットのようなものだけでも楽しいし、水が一気に凍ることや、砂糖が光るなど楽しい
○ 「人間にとって最もよい学びの方法は 、事実や数字を丸覚えすることではなく 、問題を探求したり 、調べたりすることです 」
暗記するのではなく探求すること。
探求することは調べ続ける、考える続けることでしかない。